後遺障害の等級について
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身体性機能障害(麻痺)

1、身体性機能障害の判断基準
脳の損傷による身体性機能障害については、
・麻痺の範囲(四肢麻痺、片麻痺及び単麻痺)
・麻痺の程度(高度、中等度及び軽度)
・介護の有無及び程度
により障害等級を認定することとされています。

2、麻痺の範囲での分類
四肢麻痺とは両側の四肢の麻痺
片麻痺とは一側上下肢の麻痺
対麻痺とは両下肢又は両上肢の麻痺
単麻痺とは上肢又は下肢の一肢のみの麻痺
をいいます。
麻痺の範囲及びその程度については、身体的所見及びMRI、CT等による裏付けがあることが必要です。

脳の損傷による麻痺については、四肢麻痺、片麻痺又は単麻痺が生じ、通常対麻痺が生じることはないと言われています。全て麻痺する以外は、左右同時に麻痺は通常出ないということです。
麻痺には運動障害及び感覚障害がありますが、脳損傷により運動障害が生じた場合には、通常、運動障害の範囲に一致した感覚障害 (感覚脱失又は感覚鈍麻等)が併せて発現すると言われています。

3、麻痺の程度
麻痺の程度については、運動障害の程度をもって判断することとされています。

「麻痺が高度」とは、障害のある上肢又は下肢の運動性・支持性がほとんど失われ、障害のある上肢又は下肢の基本動作(下肢においては歩行や立位、上肢においては物を持ち上げて移動させること)ができないものをいいます。
例えば
・完全強直又はこれに近い状態にあるもの
・上肢においては、三大関節及び5つの手指のいずれの関節も自動運動によっては可動させることができないもの又はこれに近い状態にあるもの
・下肢においては、三大関節のいずれも自動運動によっては可動させることができないもの又はこれに近い状態にあるもの
・上肢においては、随意運動の顕著な障害により、障害を残した一上肢では物を持ち上げて移動させることができないもの
・下肢においては、随意運動の顕著な障害により、一下肢の支持性及び随意的な運動性をほとんど失ったもの
などです。

「麻痺が中等度」とは、障害のある上肢又は下肢の運動性・支持性が相当程度失われ、障害のある上肢又は下肢の基本動作にかなりの制限があるものを言います。
例えば 
・上肢においては、障害を残した一上肢では仕事に必要な軽量の物(概ね500g)を持ち上げることができないもの又は障害を残した一上肢では文字を書くことができないもの
・下肢においては、障害を残した一下肢を有するため杖若しくは硬性装具なしには階段を上ることができないもの又は障害を残した両下肢を有するため杖若しくは硬性装具なしには歩行が困難であるもの
などです。

「麻痺が軽度」とは、障害のある上肢又は下肢の運動性・支持性が多少失われており、障害のある上肢又は下肢の基本動作を行う際の巧緻性及び速度が相当程度損なわれているものを言います。
例えば
・上肢においては、障害を残した一上肢では文字を書くことに困難を伴うもの
・下肢においては、 日常生活は概ね独歩であるが、障害を 残した一下肢を有するため不安定で転倒しやすく、速度も遅いもの又は障害を残した両下肢を有するため杖若しくは硬性装具なしには階段を上ることができないもの
などです。
ただし、麻痺のある四肢の運動障害(運動性、支持性、巧緻性及び速度についての支障)がほとんど認められない程度の麻痺については、軽度の麻痺に含めず、第12級として認定することとされています。

4、身体性機能障害の認定等級
身体性機能障害については、以下の基準により第1級~第12級の7段階で認定することとされています。

「身体性機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要するもの」は、別表第1級とされます。
例えば
・高度の四肢麻痺が認められるもの
・中等度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等 について常時介護を要するもの
・高度の片麻痺であつて、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの
などです。
「身体性機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、随時介護を要するもの」は、別表第2級とされます。
例えば 
・高度の片麻痺が認められるもの
・中等度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するもの
などです。

「生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、 身体性機能障害のため、労務に服することができないもの」は、第3級とされます。
例えば、中等度の四肢麻痺(別表第1級、別表第2級に該当するものを除く。)が認められるものが該当するとされています。

「身体性機能障害のため、きわめて軽易な労務のほか服することができないもの」は、第5級とされます。
例えば
・軽度の四肢麻痺が認められるもの
・中等度の片麻痺が認められるもの
・高度の単麻痺が認められるもの
などです。

「身体性機能障害のため、軽易な労務以外には服することができないもの」は、第7級とされます。
例えば
・軽度の片麻痺が認められるもの
・中等度の単麻痺が認められるもの
です。
「通常の労務に服することはできるが、身体性機能障害のため、社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」は、第9級とされます。
例えば、軽度の単麻痺が認められるものが該当するとされています。

「通常の労務に服することはできるが、身体性機能障害のため、多少の障害を残すもの」は、第12級とされます。
例えば、運動性、支持性、巧緻性及び速度についての支障がほとんど認められない程度の軽微な麻痺を残すものが該当するとされています。
また、運動障害は認められないものの、広範囲にわたる感覚障害が認められるものも該当するとされています。
例1:軽微な随意運動の障害又は軽微な筋緊張の亢進が認められるもの
例2:運動障害を伴わないものの、感覚障害が概ね一上肢又は一下肢の全域にわたって認められるもの
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